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名詞
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標準
文例 · 用例
恩愛ふかき親に苦を増させて、我れは同じき地上に遑ん身の、取あやまちても天上は叶ひがたし。
樋口一葉 軒もる月 青空文庫
暗澹とした空の下を重たい鋼鐵の機械が通る無數の擴大した瞳孔が通るそれらの瞳孔は熱にひらいて黄色い風景の恐怖のかげに空しく力なく徨する。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
けだし自由詩のリズムは主として「心像としての音樂」である故に、いつも幽靈の如く意識の背後を徨し、定律詩の如き強壯にして確乎たる魅力を示すことがない。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
いま憂鬱の重たくたれた黒いびらうどの帷幕のかげをさみしく音なく徨するひとつの幽しい幻像はなにですか。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
象のやうなものが群がつてゐて郵便局の前をあちこちと徨してゐる。
萩原朔太郎 定本青猫 青空文庫
恐怖への豫感 曠野に徨する狼のやうに、一つの鋭どい瞳孔と、一つの飢ゑた心臟とで、地上のあらゆる幻影に噛みつかうとする、あるひとの怒りに燃えついた情慾。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
人人の氣分は重苦しく、うなだれながら、馬のやうに風景の中を徨してゐる。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
その若く悲しい武士たちは、何時、何處で、如何にして※り逢ふかも解らない仇敵を探して、あてもなく國國を徨ひ歩き、偶然の奇蹟を祈りながら、生涯を疲勞の旅に死んでしまふ。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫