竣
竣
名詞
標準
文例 · 用例
余はこの世に存する間は働くなり、この世は余の本国なればなり、余の事業は始めかけたり、余の築かんとする塔は漸く土台石の据附を終えたり、その竣工は永久の仕事なり、余の長久を渇望するは余の永久の生を有する証なりと、この人にしてこの言あり、霊魂不滅は基督教の教義のみにあらざるなり。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
彼等の仕事しながらの會話によつて對岸の廢工場が某の鑄物工場であつた事、それが漸く竣成していよ/\製造を始めようとする途端に經濟界の大變動が突發して其儘廢墟になつてしまつた事などを知つた。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
あゝ、かくも神變不可思議なる海底戰鬪艇は、今や此秘密なる洞中の造船所に於て、櫻木海軍大佐の指揮の下に、夜を日に繼いで製造されつゝあるのであるが、此猛烈なる戰艇が、他日首尾よく竣工して、我大日本帝國の海軍の列に加つた時には、果して如何なる大影響を世界の海軍に及ぼすであらうか。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
私は此海底戰鬪艇が他日首尾よく竣工して、翩飜たる帝國軍艦旗を艇尾に飜しつゝ、蒼波漫々たる世界の海上に浮んだ時、果して如何なる戰爭に向つて第一に使用され、また如何に目醒ましき奮鬪をなすやは多く言ふ必要もあるまいと考へる。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
たゞ此秘密造船所を出づる前に、一言聽きたきは、海底戰鬪艇の竣成の期日と、此艇の如何に命名されるかとの點である。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
鐵材の運搬役でも、蒸※機關の石炭焚きでも何んでもよいから、海底戰鬪艇の竣成するまで、私を然るべき役に遠慮なく使つて下さい。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
』と熱心に語つたが、大佐は輕く點頭くのみで『ナニ、ナニ、决して其樣な心配は御無用です、君と日出雄少年とは此島の賓客であれば、たゞ食つて寢て、自由な事をして、電光艇の竣成する日まで、氣永く待つて居れば夫れでよいのです。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
』と微笑を帶びて『海底戰鬪艇の製造には、極めて細密なる設計が出來て、一人の不足をも許さぬ代りに、一人も増加する必要がないのです、ちやんと三十三|名の水兵が或年月の間働いて、豫定通りに竣功する手續になつて居ますから、君も少年もたゞ遊んで居ればよいのです。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫