落とし物
おとしもの
名詞
標準
文例 · 用例
落とし物もなに一つない。
— 開運女人地蔵 『右門捕物帖』 青空文庫
「なにか落とし物でもしなすったかね」 彼も三人を識っているのである。
— 白蝶怪 『半七捕物帳』 青空文庫
落とし物はよっぽど重そうだな。
— 歩兵の髪切り 『半七捕物帳』 青空文庫
「もし、おまえさん方は何か探し物でもしていなさるのか」「ええ、落とし物をしたので……」と、幸次郎はあいまいに答えた。
— 菊人形の昔 『半七捕物帳』 青空文庫
「彼奴、稀代の韋駄天、駿足でござるな、はははは、それはそうと、貴殿、落とし物はござらぬかの?
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
主人は痩せた小柄の老人で、鉤鼻の眼のひかった男で、そこらに何か落とし物はないかと休みなしにその眼をきょろつかせているような人物であった。
— 鏡中の美女 『世界怪談名作集』 青空文庫
いつの晩だったか、床の中で考えながら、重大なことに思って、目をさまして起きたときは、なんであったか忘れてしまって、それから、なんとなく、大きな落とし物をしたように、ゆううつだったのが、友だちの話から、思い出したのでした。
— 小川未明 『世の中のために』 青空文庫
ほどなく警察から落とし物が発見されたという通知に接したので行って見ると、そこに拾い主であるという久留米絣の袷を着た十五、六歳の少年が立っている。
— 佐藤垢石 『淡紫裳』 青空文庫