円状
えんじょう
名詞
標準
文例 · 用例
その異様なものは、霧のなかで私自身から円光のように発しているかに見える、私を中心にして描いた円状の薄明りの、丁度その円周の上にうずくまっているのだった。
— 堀辰雄 『美しい村』 青空文庫
癌は胃の底部に発生し、十二指腸が患部を円状に蔽つてゐたのだ。
— 神西清 『母たち』 青空文庫
あすこの三つ二つ、三つ二つは今しも大きな塊りとなって潮のように前に押寄せ、丁字街の口もとまで行くと、突然立ち停まって半円状に簇った。
— 魯迅 『薬』 青空文庫
花がすむと子房が増大し、ついに長楕円状円柱形の果実となり開裂して種子が出るが、果内は三室に分かれている。
— 牧野富太郎 『植物知識』 青空文庫
そのときの円状をえがいた自然なからだは、ときにはまるいゴム玉のように飛び上った。
— 室生犀星 『ヒッポドロム』 青空文庫
次いでトンネルが驚くほど広がって自然な洞窟めいた空間になり、これは彫刻の中で予告されていなかった――床は水平なまま幅と高さが楕円状に広がり、奥行き二十三メートル幅十五メートル程で、数限りない側道が謎めいた暗黒へと延びていた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫
例えばツツガムシ病の局所には壊死があり、真性発疹チフスにはリンパ節の腫脹があり、ボタン熱ではしばしば隆起した小円状の小丘が見られる。
— ――専門家でない読者に必要な12章を含む発疹チフス一生の伝記 『ネズミ、シラミ、歴史』 青空文庫