穿く
はく
動詞
標準
文例 · 用例
一度、基督教の伝導婦を妻君に持つ、丸顔の、袴など高く穿くが何だか自堕落な感じの、植物課の教師が訪ねて行つた時、校長は、妻が酷いヒステリーなので、随分私も学校で嫌な顔をしてゐる日があるに違ひないがと話した。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
どうやら底にまだ雨気がありそうで、悪く蒸す……生干の足袋に火熨斗を当てて穿くようで、不気味に暑い中に冷りとする。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
さて先づ帯を〆め果つれば、足袋を穿く下駄を穿く。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
見込んで提灯が低くなって、裾が鳥居を潜ると、一体、聖心女学院の生徒で、昼は袴を穿く深い裾も――風情は萩の花で、鳥居もとに彼方、此方、露ながら明く映って、友染を捌くのが、内端な中に媚かしい。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
血る潔く清き身に、唐衣を着け、袴を穿くと、しらしらと早や旭の影が、霧を破って色を映す。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
まさかに草鞋を穿くようなこともあるめえ。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
○繕った靴下でも穿くときは皺の寄らないように。
— 岡本かの子 『現代若き女性気質集』 青空文庫
新しい事を草履を穿く様にまた洋傘をさすと同じ様にしています。
— 岡本かの子 『新時代女性問答』 青空文庫