悄気
しょげ
名詞
標準
文例 · 用例
駄目です』などと夫人にからかわれ、『あ、どうしよう、私この鼻』など言って悄気返り、『真ッぴら、真ッぴら』と、今おぼえたばかりの日本語を面白がって使ったりして、夫人や女中たちを大笑いさせたりしているのだが、その後で、『しかし、よく思うて下さい。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
」――私は父が私のことで悄気たりしてゐる時はせめてもの務めででもあるかのやうにさう言つた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
もしも H0 - A がKより大きいような人ならばその人は年中怒りっぽくまた憂鬱になりやすいし、また H0 + A がKより小さい人は年中元気がなく悄気ていることになる。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫
彼は承諾はしたが、しかしその Presidential Address が苦になり、その予想にうなされ、そうしてひどく悄気たりした。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
」と、雀の方より、こっちが顔を見合わせて、悄気げつつ座敷へ引込んだ。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
「どうぞ、御免なすって、真平、へい……」 と革に縋ったまま、ぐったりとなって、悄気返った職人の状は、消えも入りたいとよりは、さながら罪を恥じて、自分で縊ったようである。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
……無慙や、なけなしの懐中を、けっく蕎麦だけ余計につかわされて悄気返る。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
予は其を聞くと整しく口をつぐみて悄気返れば、春雨恰も窓外に囁き至る、瀟々の音に和し、長吁短歎絶えてまた続く、婦人の泣音怪むに堪へたり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫