非売
ひばい
名詞
標準
文例 · 用例
ドイツのある書店に或る書物を注文したらまもなく手紙をよこして、その本はアメリカの某博物館で出版した非売品であるが、御希望ゆえさし上げるように同博物館へ掛け合ってやったからまもなく届くであろうと通知して来た。
— 寺田寅彦 『読書の今昔』 青空文庫
これが日本の書店だと三月も待った後に御注文の書籍は非売品の由につきさよう御承知くだされたしという一枚のはがきを受け取るのではなかったかと想像する。
— 寺田寅彦 『読書の今昔』 青空文庫
いくらだと聞くと、持主が支那から持つて帰つて来て是非売りたいと云ひますから、御安くして三十円にして置きませうと云ふ。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
いくらだと聞くと、持主が支那から持って帰って来て是非売りたいと云いますから、お安くして三十円にしておきましょうと云う。
— 夏目漱石 『坊っちゃん』 青空文庫
それは旧|露西亜のモスコー大学に属する心霊学界の非売雑誌に発表された新学説の抄訳紹介で「自分の魂に呼びかけられる実例」と題する論文であったが、それを読んでみると、正体の無い声に呼びかけられた者は決して彼一人でないことがわかった。
— 夢野久作 『木魂』 青空文庫
それは同君が鎌倉での日記と一緒に合巻としてあるもので、かねて非売品として知人の間に分けられたほどの心づくしの冊子であるが、自分にも贈つて貰つた時から最早五年の月日がたち、長いこと読み返して見る折もなく本箱の中にしまつて置いてあつたものだ。
— 島崎藤村 『伊香保土産』 青空文庫
ぼくだって金はあまり……この画は非売品だよ。
— 海野十三 『一坪館』 青空文庫
お気の毒さま」「じゃその配給品を是非売って下さい。
— 海野十三 『空襲下の日本』 青空文庫