幻辞.com

田舎住まい

いなかずまい
名詞
1
標準
文例 · 用例
お常御殿に上がると、源氏のさらに美しくなった姿をあれで田舎住まいを長くしておいでになったのかと人は驚いた。
明石 源氏物語 青空文庫
九州へ行っていた人たちは昔光源氏という名は聞いたこともあったが、田舎住まいをしたうちにそのまれな美貌の人がこの世に現存していることも忘れていて今ほのかな灯の明りに几帳の綻びから少し見える源氏の顔を見ておそろしくさえなったのであった。
玉鬘 源氏物語 青空文庫
いろいろな新しい傾向とか、改革とか、新思想とか、すべてそうしたものは、田舎住まいの我々には触れないことはないが、それを確実に見るためには、いっさいを残りなく見ようとするには、やっぱりペテルブルグにいなければいけません。
フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 罪と罰 青空文庫
伯父は、事業の外部に出て、田舎住まいの紳士として現場にかかり合わずに一種のアリバイを作つておこうという、イギリス人らしい理想を持つていた。
THE POINT OF A PIN ピンの先き 青空文庫
夫が死ねば子供らをみんな引連れて実家に帰ってしまうけれども)こうした家格の関係もあり、また、マリヤンが田舎住いを厭うので、やや変則的ではあるが、夫の方がマリヤンの家に来て住んでいた。
――ミクロネシヤ巡島記抄―― 環礁 青空文庫
今となって職業の好みもなく、また、田舎住いでも幸福だと云った意味を長々と展べて。
林芙美子 魚の序文 青空文庫
三鷹事件などは特に見たかったのだが、あんなにシバシバ法廷がひらかれるのでは、田舎住いの私には、とてもコマメに通勤ができない。
巷談師退場 安吾巷談 青空文庫
それは田舎住いが子女の教育に不適当であったからだ。
その九 覆面屋敷 明治開化 安吾捕物 青空文庫