仄見える
ほのみえる
動詞-一段動詞-自動詞
標準
to be faintly visible
文例 · 用例
返事は折返し届いて、お前の筆端には自殺を楽むような精神が仄見える。
— 泉鏡花 『おばけずきのいわれ少々と処女作』 青空文庫
平生の知己に対して進退|行蔵を公明にする態度は間然する処なく、我々後進は余り鄭重過ぎる通告に痛み入ったが、近い社員の解職は一片の葉書の通告で済まし、遠いタダの知人には頗る慇懃な自筆の長手紙を配るという処に沼南の政治家的面目が仄見える心地がする。
— 内田魯庵 『三十年前の島田沼南』 青空文庫
」 天狗洞の冠木門が梅林の奥に仄見えるのを目ざして、訪ねて来る途中でR氏は私に云つたのであつた。
— 牧野信一 『天狗洞食客記』 青空文庫
文学の本質的な作用を読者の数量によって測定するという錯覚から、二つの不祥な傾向が仄見える。
— 豊島与志雄 『異邦人の意欲』 青空文庫
何かの嫡子にせよ、或は何かの末裔にせよ、ほんとの文学作品をという声に応じて、新たな私小説の抬頭が仄見える。
— 豊島与志雄 『文学に於ける構想力』 青空文庫
彩紅は二十三歳の、体躯も肉附も豊かな、明朗な美人で、一点、清澄な瞳の奥に深い悲しみを宿したようなところが、時あって仄見えるのでありました。
— ――近代伝説―― 『立札』 青空文庫
窓の外には、いよいよ吹き募っている雪のあいだから、ごく近くの木立だとか、農家だとかが仄見えるきりだった。
— 堀辰雄 『菜穂子』 青空文庫
この薄暗い路次の奥に仄見える木戸の燈火は、雪の夜もいいがやはり朧夜が一段と甘くなつかしいしゞまが美しく感じられた。
— 正岡容 『寄席風流』 青空文庫
作例 · 標準
水平線の彼方に、船のシルエットがほの見えた。
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夜の森で、動物の目がほの見えるのを何度か経験した。
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暗闇の中で、遠くに明かりがほの見え始めた。
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