幻辞.com

言い解く

いいとく
動詞
1
標準
文例 · 用例
そしていったいなんのために縛られているのか象にはそれがわからない、たとえそれがわかっても、それを言い解くべき言葉を持たないのである。
寺田寅彦 解かれた象 青空文庫
判官閣下被告は只今聞くだに恐ろしき罪名の下に拘禁されて居りますものゝ、神楽坂署にて申立ての事柄は事実無根にて、被告の犯し居ります罪に非ざれば、真の申立を為す能わず、就いては被告は前科あります事とて、此後いかに身の濡衣たる事を弁明なすも、中々容易に言い解く詮もなきことゝ思われます。
甲賀三郎 支倉事件 青空文庫
まあ、それは言い解く術もあろうし、明日の朝早く顔を見せさえすれば、それですむ。
森田草平 四十八人目 青空文庫
もとよりこっちは木喰でもなければ五行でもなし、上人様などとは以ての外、正真正銘の沢井村の与八に違いないのですが、先方がどうしても上人様だと信じ、そう決めてしまって拝むものだから、どうにも言い解く術はありませんでした。
胆吹の巻 大菩薩峠 青空文庫
十五人の生存者にとって、救われたことが幸福だったか不幸だったか、簡単にも言い解くことはできないが、しかし、こういう事情で、ともかく筏は発見されたのである。
久生十蘭 海難記 青空文庫
それがなんであるか、葵自身もはっきりと言い解くことが出来なかったが、強いていえば、不吉な予感というようなものだった。
久生十蘭 金狼 青空文庫
その三日さえ無事に過せば、奥方の無実を言い解く道もひらけ。
第廿七吉 銭形平次捕物控 青空文庫
「自分が万一疑いをかけられて、言い解く道が無くなれば、背に腹は代えられぬから、ピアノの鏡板に映った顔、あの拳銃を撃った顔は誰であったか、警官の前で言わなければなるまいと――」「――――」「その藤井が重大な容疑者として縛られて行きました。
野村胡堂 音波の殺人 青空文庫
言い解く(いいとく) — 幻辞.com