忍び音
しのびね
名詞
標準
whispering
文例 · 用例
夜に入っては、私は虫が嫌いなので、障子を締め切ってしまうと、あっちでも、こっちでも障子の外で、カサカサカリカリと忍び音がする、嘴や鬚で、プツリと穴を明けて、中を覗き込んで、呪っているのではあるまいかと、神経が苛々する。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
」 わッとまた忍び音に、身悶えして突伏すのである。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
」 夫人は忍び音を震わした。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
お鶴は思わず取縋って、忍び音にわっと泣いた。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
女は其の調子に惹かれて、それではまずいので、とは云兼ぬるという自意識に強く圧されていたが、思わず知らず「ハ、ハイ」と答えると同時に、忍び音では有るが激しく泣出して終った。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
」 と言わるるままに、忍び音が、声に出て、肩の震えが、袖を揺った。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
…… ぶるぶる震うと、夫人はふいと衾を出て、胸を圧えて、熟と見据えた目に、閨の内をとしたようで、まだ覚めやらぬ夢に、菫咲く春の野をうごとく、裳も畳に漾ったが、ややあって、はじめてその怪い扱帯の我を纏えるに心着いたか、あ、と忍び音に、魘された、目の美しい蝶の顔は、俯向けに菫の中へ落ちた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
四月十四日 夜甲板の椅子によりかかってマンドリンを忍び音に鳴らしている女があった。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
作例 · 標準
夜の静寂の中、かすかな忍び音が隣の部屋から聞こえてきた。
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彼は敵に近づくため、仲間に忍び音で合図を送った。
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子供たちは、親に内緒の話をする時、いつも忍び音になる。
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