波打ち
なみうち
名詞
標準
文例 · 用例
肩に波打ち、はっと息して※となる。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
前なるも、後なるも、左も右も、人波打ちつつどやどやと動揺み出づる、土間桟敷に五三人、ここかしこに出後れしが、頭巾|被るあり、毛布纏うあり、下駄の包提げたるあり、仕切の板飛び飛びに越えて行く。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
町|外ずれを「武蔵野」の一部に入れるといえば、すこしおかしく聞こえるが、じつは不思議はないので、海を描くに波打ちぎわを描くも同じことである。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
武蔵も決然、波打ち際を歩む。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
父の悲劇の渦紋はまだこの先わたくしの身の上にかゝって波打ちますけれどもあまり筋がもつれて判らなくなるといけません。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
海の中にもぐった時に聞こえる波打ちぎわの砂利の相摩する音や、火山の火口の奥から聞こえて来る釜のたぎるような音なども思い出す。
— 寺田寅彦 『ねずみと猫』 青空文庫
いかなる場合にもアインシュタインの相対性原理は、波打ちぎわに子供の築いた砂の城郭のような物ではない。
— 寺田寅彦 『相対性原理側面観』 青空文庫
われは少女が※したる銀の矢を拔きたるに、豐なる髮は波打ちて、我身をも、露れたる少女が肩をも掩はむとす。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫