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小蟻

こあり
名詞
1
標準
文例 · 用例
四角な浮き箱の上に、二十五トンの重さの物を引っぱり上げるだけの力と、骨組みとを持った鉄の腕と、ウインチが装置されてあるのだ、けし粒ほどの小蟻が黄金虫か何かを引っぱるように、小蒸汽はそれを曳きなやみつつ、じりじりと近づいた。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
その日の眞晝近く、地上のすべての事物は、人も、樹木も、家屋も、電柱も、また砂にまぎれる小蟻さへも、息を途絶えさすやうな劇しい暑さに疲れ果てて、ぢつと聲をひそめて立つてゐるやうに思はれるその眞晝近く、私は理科大學研究室の窓際の机に向つて、一所懸命に蘭科植物の葉色素研究の爲めに顯微鏡を覗き込んでゐた。
南部修太郎 疑惑 青空文庫
竹はいい、篁はいい、奥ぶかいゆゑ、冷えるゆゑ、なにかそこらのちらちらが、蝶や小蟻を明るくする。
北原白秋 海豹と雲 青空文庫
今日も新聞を読みあきて、 庭に小蟻と遊べり。
―一握の砂以後― 悲しき玩具 青空文庫
埃の樣な赤い小蟻、尻を立てた黒蟻、それに最初から餌を運んでゐた蟻、この三種族が眞黒になつて虻の死骸を中に噛み爭つてゐるのである。
虻と蟻と蝉と 樹木とその葉 青空文庫
と云って大声で笑いながらドヤドヤと皆なんか小蟻のかたまりとも思わない様子で行って仕舞った。
宮本百合子 お久美さんと其の周囲 青空文庫
小蟻が主として運搬にかかった。
豊島与志雄 或る素描 青空文庫
さうせば小蟻の勝になるだらう。
斎藤茂吉 三年 青空文庫