御大師
おだいし
名詞
標準
文例 · 用例
それに又、配偶のオナリという女が亭主に負けない口達者のガッチリ者で、村の女房達が第一の楽しみにしている御大師様や、妙法様の信心ごとの交際なぞには決して出て来ない。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
山内が「さ、引導、渡してくれる――南無阿弥陀仏、御大師様の廟で殺されるからは、極楽往生疑いなし、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
先月の二十一日は御大師樣の命日でした。
— 嘉村礒多 『業苦』 青空文庫
昔は利根川の渡しがあつて、水戸様の御本陣など残つてゐる宿場町だが、今は御大師の参詣人と鮒釣りの人以外には衆人の立寄らぬ所である。
— 坂口安吾 『居酒屋の聖人』 青空文庫
大師講の由来 伝説の上では、空也上人よりもなお弘く日本国中をあるき廻って、もっとたくさんの清い泉を、村々の住民のために見つけてやった御大師様という人がありました。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
大抵の土地ではその御大師様を、高野の弘法大師のことだと思っていましたが、歴史の弘法大師は三十三の歳に、支那で仏法の修業をして帰って来てから、三十年の間に高野山を開き、むつかしい多くの書物を残し、また京都の人のために大切ないろいろの為事をしていて、そう遠方まで旅行をすることの出来なかった人であります。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
東日本の方は大抵は弘法井、または弘法池などといい、九州ではただ御大師様水と呼んでおります。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
弘法大師が世を去ってから千年の後までも、なお新なる清水は常に発見せられ、いわゆる大師の井戸、御大師水の伝説は、すなわちこれに伴うて流れて行きます。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫