多難
たなん
形容動詞名詞頻度ランク #40194 · 青空 116 例
標準
full of troubles, difficulties
文例 · 用例
我邦劇の前途、豈に多難ならずや。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
新進気鋭の作家たちが、視野をひろく求め取材に憂きみをやつすといふのが一種の風潮かも知れぬが、多くの場合に於いて、その観察力乃至は描写力に於いて表面的にのみ流れ、これは特に藤沢氏のみを指すわけではないが、多作多難に容易に打ち克つことは敵はぬのではなからうか。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
もししかりとせばキリストは如何、パウロは如何、その他多難の一生を送りし多くの優秀なるキリスト者は如何。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
行けい」「でも――」「国政多難の昨今、廟堂に立つものにその位の敵あるは当り前じゃ。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
Durtal は真の生活に入らうとして少くとも多艱多難のその前半生を背景としてゐる。
— 田山録弥 『J. K. Huys Mans の小説』 青空文庫
ここらで映画の前途に見きわめをつけて、そろそろ手を引く事業家が出てくるかもしれぬが、もしそんなことがあつても、このような多難な時期に映画を見捨てる人に対して、五十万円だの百万円だのという退職手当は出さないでもらいたい。
— ――情報局の映画新体制案について―― 『思い』 青空文庫
多難なリアリズムの問題、文学の真の意味での大衆性の課題の一部を、氏は題材そのものが歴史の中で持つ現実性の正当な闡明によって解決しようとしたのであった。
— 宮本百合子 『今日の文学の展望』 青空文庫
しかも、理論への情熱は主観的に高揚されて、謂わば各人各様の説を感想として主張し、そのことに於て日本のヒューマニズムの問題のおかれている多難性と、思想の多弁と浮動の激しさとを感じさせた。
— 宮本百合子 『今日の文学の展望』 青空文庫