涼しい顔
すずしいかお
表現名詞
標準
nonchalant air
文例 · 用例
附近一帯の水涸れで、工面のいい家は、どん/\井戸を掘り下げたり、水道を引いたりして、文字通り「涼しい顔」をしてゐられるのであるが、この埃の溜つた井戸の使用者は借家人であり、その家主は、前代は財布の紐で首でも吊つたんではないか、と疑はざるを得ない吝ん坊なのである。
— 葉山嘉樹 『井戸の底に埃の溜つた話』 青空文庫
従って審査委員自身は平気で涼しい顔をしていても、他の同僚が知らん顔をしてはいられなくなるであろう。
— 寺田寅彦 『学位について』 青空文庫
早く止めてくれと言っても車掌は「信号したけれども止めないです」と言って至極涼しい顔をしていた。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
つまり言わば某陶工が帝展において金牌を獲たときにその作品に使われた陶土の採掘者が「あれはおれが骨折って掘ってやった土をそっくりそのまま使って、そうした金牌をせしめておきながら涼しい顔をしている」と言って憤慨するのと似たことが実際にしばしば起こるのである。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
もっとも中には、実際に、単に素材のみならず、その造型構成のイデーまでも弟子の独創によってできあがったものを、先生が、先生であるというだけの特権を濫用してそっくりわが物にして涼しい顔をする場合もないとは言われないが、またそうでない場合がずいぶんあるようである。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
「涼しい顔」というものがある。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
また、少し感の悪いうっかり者が、とんでもない失策を演じながら当人はそれと気がつかずに太平楽な顔をしているのも、やはり涼しい顔の一種に数えられるようである。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
これも人から見れば涼しい顔に見えるであろう。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
作例 · 標準
締め切り直前だというのに、彼は涼しい顔でコーヒーを飲みながら談笑している。
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犯人は犯行現場に戻り、何食わぬ様子で涼しい顔をして捜査を見守っていた。
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どんなに困難な課題を突きつけられても、彼は常に涼しい顔で「大丈夫だ」と答える。
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