隠坊
おんぼう
名詞
標準
文例 · 用例
」「隠坊屋の親類みてえな商売やっているくせに、みっともねえのぼせ方しているな。
— へび使い小町 『右門捕物帖』 青空文庫
同時に隠坊が薪に火を点けた。
— 田中貢太郎 『妖蛸』 青空文庫
隠坊は後から後からと薪を加えたが、米の死体はなかなか焼けなかった。
— 田中貢太郎 『妖蛸』 青空文庫
普通五六十本の薪があれば、完全に焼けることになっているが、もう予定の薪は焚いてしまっても焼けないので、隠坊はがまんしきれなくなって、傍にあった漁師用の手鍵を執って死体の腹へ打ちこんだ。
— 田中貢太郎 『妖蛸』 青空文庫
それと見て人びとは隠坊に加勢して、蛸を撲殺し、更めて薪を加えて蛸もいっしょに焼いたが、今度はすぐ焼けてしまった。
— 田中貢太郎 『妖蛸』 青空文庫
今考えると、それは或る人間の脳味噌かなんかで、火葬場の隠坊達からひそかに手に入れて調製されてたものかも知れない。
— 豊島与志雄 『道連』 青空文庫
どつちみちたかが理知的な隠坊であり屠殺者だけのことである。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
この支流は初め隠坊堀とよばれ、下流に至って境川、また砂村川と称せられたことをも知り得た。
— 永井荷風 『放水路』 青空文庫