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猿引き

さるひき
名詞
1
標準
文例 · 用例
たとえば「僧やや寒く寺に帰るか」「猿引きの猿と世を経る秋の月」では僧の姿が猿引きの猿にオーバーラップ的に推移するのである。
寺田寅彦 映画芸術 青空文庫
猿の方が猿引きよりはよく読むそうな」「お猿さん。
森鴎外 安井夫人 青空文庫
きょうは猿引きはどうしましたな」 交通の狭い土地で、行き逢う人は大抵識り合った中であった。
森鴎外 安井夫人 青空文庫
今一つは、驚くべし、兄と自分とに渾名がついていて、醜い自分が猿と言われると同時に、兄までが猿引きと言われているということである。
森鴎外 安井夫人 青空文庫
また乞胸の名を以て呼ばれた大道芸人、縁日芸人、或いは猿引すなわち猿舞わしの如く、町家に住居して遊芸の生活をするものは、また非人小屋、非人溜りにいる非人とは別であった。
喜田貞吉 賤民概説 青空文庫
いわゆる七乞食とは、猿引・編木師・恵美須・辻乞・乞胸・弦指・盲目で、また八乞食とは、薦僧・鉢坊・絵説・鉦打・舞々・猿牽・山守・渡守を云い、次に六道の者というは、弓造・土器作・石切・筆結・墨師・獅子舞だとあって、みないわゆる長吏弾左衛門支配下の者どもであった。
喜田貞吉 賤民概説 青空文庫
興福寺の五箇所・十座の唱門は、非人中の番非人の如く、寺の所属として雑役に従事する以外に、猿楽以下、渡り神子・渡り遊女・鉦打・猿引等七道の者を進退し、また警察獄吏の事務をも執行し、土木工事にも役せられ、戦時には陣夫にも用いられていた。
喜田貞吉 俗法師考 青空文庫
そして彼ら自身また、少くともその後裔は、陰陽師・ヒジリ・梓神子・傀儡師・猿引・番非人等として知られ、鎧作りの工業家などもこれから出ているらしく、おそらく夙・エタの仲間となったものもまたその中にはあったらしい。
喜田貞吉 俗法師考 青空文庫