読人
よみびと
名詞
標準
文例 · 用例
よくも、悪くも、背中に大蛇の刺青があって、白木屋で万引という題を出すと、同氏御裏方、御後室、いずれも鴨川家集の読人だから堪らない。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
後撰集雑二に「難波がた汀のあしのおいのよにうらみてぞふる人のこゝろを」というのが読人不知になって出て居るが、兼盛の歌である。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
是は数行の文ではあるが、一読人をして震慄せしむべきものがある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
『夫木集抄』三十、読人知らず「いとねたし泳の宮の池にすむ鯉故人に欺かれぬる」とはこれを詠んだのじゃ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
ささ波や比良山風の海吹けば釣する蜑の袖かへる見ゆ(読人しらず) 実景をそのままに写し些の巧を弄ばぬ所かへつて興多く候。
— 正岡子規 『歌よみに与ふる書』 青空文庫
さざ波や比良山風の海吹けば釣する蜑の袖かへる見ゆ (読人しらず) 実景をそのままに写し、些の巧を弄ばぬところかえって興多く候。
— 正岡子規 『歌よみに与ふる書』 青空文庫
……その他に名歌はございませんかな」「読人知らずではございますがこのような和歌もございます。
— 国枝史郎 『真間の手古奈』 青空文庫
御題は「水辺の草」というのですが、小町の作った歌は、蒔かなくに何を種とて浮草の 波のうね/\生ひ茂るらむ というのですが、腹の黒主はそれをこっそり写しとって家に帰り、その歌を万葉集の草紙の中へ読人不知として書き加え、何食わぬ顔をして翌日清涼殿の御歌合せの御会へのぞみました。
— 上村松園 『謡曲と画題』 青空文庫