餞
はなむけ異読 せん
名詞多音語
標準
farewell gift
文例 · 用例
* * * 札幌に来る時、母が餞別にくれた小形の銀時計を出してみると四時半近くになっていた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
奥さんというのは西山さんに何か餞別物を渡そうとしているところだった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
青森では夜学校の生徒の奴らが餞別にくれた新しい下駄をおろして、久しぶりで内地の土を歩いた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
「哥太寛も餞別しました、金銀づくりの脇差を、片手に、」と、肱を張つたが、撓々と成つて、紫の切も亂るゝまゝに、弛き博多の伊達卷へ。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
見え隠れにあとを跟けて、その夜金竜山の奥山で、滝さん餞別をしようと言って、お兼が無名指からすっと抜いて、滝太郎に与えたのが今も身を離さず、勇美子が顔を赤らめてまで迫ったのを、頑として肯かなかった指環なのである。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
その時、奥山で餞した時、時ならぬ深夜の人影を吠える黒犬があった。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
「――じゃ、餞別にこれをあげよう」 小田は花遊小路で買って来た鈴子の舞妓姿の写真を、鶴雄の前に出した。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
伝三郎がそれと知って梅田の駅へかけつけ、餞別に三十円の金を与えた。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
作例 · 標準
旅立つ友人には、思い出に残る餞を贈った。
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転勤する同僚に、皆で寄せ書きと餞をプレゼントした。
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「これ、餞だよ。新しい土地でも頑張ってね!」
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