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帆前

ほまえ
名詞
1
標準
文例 · 用例
でないと、何しろ出帆前のとっさの間に、決する勝敗だから、出帆後に持ち越せば、こちらの負けになるに決まってるんだからなあ。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
彼はある日砂糖倉に這入って帆前垂にザラメをすくいこんでいた、ところがそこを主人が見つけた。
黒島傳治 砂糖泥棒 青空文庫
お正月に、餅につけて食う砂糖だけはあると思って、帆前垂にくるんだザラメを、小麦俵を積重ねた間にかくして、与助は一と息ついているところだった。
黒島傳治 砂糖泥棒 青空文庫
二三日たって、若い労働者達が小麦俵を積み換えていると、俵の間から、帆前垂にくるんだザラメが出てきた。
黒島傳治 砂糖泥棒 青空文庫
汚れた帆前垂れは、空樽に投げかけたまゝ一週間ほど放ってあったが、間もなく、杜氏が炊事場の婆さんに洗濯さして自分のものにしてしまった。
黒島傳治 砂糖泥棒 青空文庫
諸味は、古江の帆前垂から足袋を汚してしまった。
黒島傳治 まかないの棒 青空文庫
西は入江の口、水狹くして深く、陸迫りて高く、此處を港に錨を下ろす船は數こそ少いが形は大きく大概は西洋形の帆前船で、出積荷は此濱で出來る食鹽、其外土地の者で朝鮮貿易に從事する者の持船も少なからず、内海を往來する和船もあり。
國木田獨歩 少年の悲哀 青空文庫
帆前船の暗い影の下を潜り、徳二郎は舟を薄暗い石段の下に着けた。
國木田獨歩 少年の悲哀 青空文庫