面映ゆい
おもはゆい
形容詞
標準
文例 · 用例
刑事達は、暫らく其のダッジを取り巻いて眺めていたが、鹿爪らしい顔で全く不必要なことをしているようで、段だん面映ゆい気がして来る。
— 牧逸馬 『双面獣』 青空文庫
湯島あたりのかげまか、歌舞伎の若衆でもなければ見られない面映ゆい扮装……。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「そっとしておれよ、面映ゆいからの」 云いすてて大弥太は玄関へはかからず、裏口から、こっそり屋内へはいった。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
そこで、私が先づ云ひたいことは、少年期を終つて将に青年期に入らうとする頃から、異性に対してわけもなく面映ゆいやうな気持を意識するやうになる、いはゆる「思春期」についてであります。
— ――力としての文化 第五話 『青年の夢と憂欝』 青空文庫
一体、私はそういう自分の幼時のことを人に訊いたりするのは何んだか面映ゆいような気がして、自分からは一遍も人に訊いたことはない。
— 堀辰雄 『幼年時代』 青空文庫
誰がどこで読んでゐるかわからないと思ふと、外へ出るのも面映ゆいと云つたあんばいで、甚だ滑稽であつたが、果して、未知の読者から若干の手紙を貰つた。
— 岸田國士 『芝居と僕』 青空文庫
私もありがたいことに思い、同時に、日ごろの念願が達せられるのをよろこんで、それに決めたが、題はあまりに面映ゆいので、「花と龍」とした。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
これにはいささか驚きつつご好意に感謝し、また面映ゆい思ひが少くなかつた。
— 三好達治 『測量船拾遺』 青空文庫