茅原
かやはら
名詞
標準
文例 · 用例
柳亭種彦のその文章を、そっと包むように巻戻しながら、指を添え、表紙を開くと、薄、茅原、花野を照らす月ながら、さっと、むら雨に濡色の、二人が水の滴りそうな、光氏と、黄昏と、玉なす桔梗、黒髪の女郎花の、簾で抱合う、道行姿の極彩色。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
歌俳諧や絵につかう花野茅原とは品変って、自から野武士の殺気が籠るのであるから、蝶々も近づかない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
五月の一夜吾が凭る小野の野づかさ、麓つづきの茅原に、夕ぐれ五月の闇をふかみ、眞夏の女神|筒姫、獨りずまひのなぐさや、夜殿の香爐のかをり高に、野薔薇空にくゆりて、まよはし深きも所がらや。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
鼬のように一直線に門前の茅原の暗に消え込んだ。
— 夢野久作 『女坑主』 青空文庫
やがて、浅茅原の闇黒にのまれてしまった。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
正月の初めに偶然この伊豆温泉の相模屋へ泊り合せた五人――臺灣總督府の石井光次郎さん、日本評論社の茅原茂さん、野口米次郎の令兄である高木藤太郎さん、それに私達夫婦が――昨夜からの突然な思ひ立出で、三里先きの海上にある初島を觀に行かうと決めたのです。
— 與謝野晶子 『初島紀行』 青空文庫
八月末頃になると駒ヶ岳神山の裾から笛塚山、蓬莱山にかけて見る限り一面の茅原が可愛い淡紅の薄の穗を抽きそめる。
— 近松秋江 『箱根の山々』 青空文庫
『みちのくの眞野の茅原遠けどもおもかげにして見ゆとふものを』から題を取つたもの、落合直文、森林太郎(鴎外)等諸先生の西詩譯集である。
— 土井晩翠 『新詩發生時代の思ひ出』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
茅原(ちはら・ちわら・かやはら・かやばら) 茅(ち)や茅(かや)の茂る草原。 地名 山形県 鶴岡市 茅原(ちわら) 新潟県 三条市 茅原(ちはら) 石川県 金沢市 茅原町(ちはらまち) 愛知県 岡崎市 茅原沢町(ちはらざわちょう) 三重県 松阪市 茅原町(ちはらちょう) 奈良県 御所市 茅原(ちはら) 奈良県 桜井市 茅原(ちわら) 徳島県 美馬市 美馬町茅原(かやばら) 姓 茅原郁生(かやはら いくお) - 自衛官 茅原華山(かやはら かざん) - 評論家 茅原悠紀(かやはら ゆうき) - 競艇選手 茅原ますみ(ちはら ますみ) - アナウンサー 茅原実里(ちはら みのり) - 声優
関連項目
出典: 茅原 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0