某区
ぼうく
名詞
標準
文例 · 用例
今日でも某区内の犯罪者が他区の警察の手にあげられる場合もある。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
というのはほかでもない、某区の一巡査がキリューシキン小路で、かつてフリュート吹きであったある退職音楽師の粗ラシャの外套を剥ぎとろうという犯行の現場で、まさにくだんの幽霊の襟がみを、完全に取って押えようとしたのである。
— ニコライ・ゴーゴリ 『外套』 青空文庫
銃声に愕いて駈付けた守衛のため極秘裡に直ちに市内某区の○○病院に搬び込まれたが危篤である。
— 海野十三 『深夜の市長』 青空文庫
この地下街については、詳しく述べることを憚るが、大体のことを云うと、丸の内に近い某区域にあって、地下百メートルの探さにあった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
唯一つ、日本橋の某百貨店のエレベーター坑道の底部に開いているものは、エレベーター故障事件に発して、炯眼なる私立探偵|帆村荘六に感付かれたが、軍部は逸早くそれを識ると、数十万円を投じたその地下道を惜気もなく取壊し、改めて某区の出版会社の倉庫の中に、新道を造ったほど、喧しいものだった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
場所は、東京山の手の某区某町。
— 岸田國士 『歳月』 青空文庫
僕は某区の猶太殿堂に入つて行つた。
— 斎藤茂吉 『脱帽』 青空文庫
終戦から二、三日目に、某区で「今夜アメリカの兵隊が来るから、米国の国旗を用意し、御馳走を作って待っているように」という布告を回覧板で廻した所があった。
— 中谷宇吉郎 『流言蜚語』 青空文庫