禅坊
ぜんぼう
名詞
標準
文例 · 用例
その晩は、鶴谷の檀那寺の納所だ、という悟った禅坊さんが一人。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
主人は改めて又にッたりとして、「ヤ、了休禅坊の御話といい、世間の評話といい、いろいろ面白うござった。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
」「世を遁れて仏道に飛込まれた彼の了休禅坊はおとなしい屈原で。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
何卒了休禅坊御懇親の御縁に寄り、私の至情御汲取り下されまして、私めまで右品御戻しを御願い致しまする。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
御無礼、御叱りには測り兼ねまするが、今後御熟懇、永く御為に相成るべき者と御見知り願い度、猶不日了休禅坊同道相伺い、御礼に罷出ます、重々御恩に被ますることでござりまする。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
俊和尚は予期した通りの和尚だつた、私は所謂、禅坊主はあまり好きでないが、和尚だけは好きにならずにはゐられない禅坊主だ(何と不可思議な機縁だらう)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
今日、途上で巡査に何をしてゐるかと問はれて、行乞をしてると答へたが、無能無産なる禅坊主の私は、死なゝいかぎり、かうして余生をむさぼる外ないではないか、あゝ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
帰宅前の樹明兄、先夜写していたゞいた写真を持つて来庵、よく写つてゐる、あまりに私らしい、同時にあまりに私らしくない写真でもあつたが、とにかく、禅坊主としての私、庵主としての私は出てゐる、感謝々々。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫