尺取り
しゃくとり
名詞
標準
文例 · 用例
兎や雷鳥が、雪の降る時に白色に変り、草の萌え茂る時に、その色に変るやうに、カメレオンのやうに、絶えず変色したり、尺取り虫見たいに、枯枝と同じ色をして、力んでピンと立つてゐれば、生命と云ふものは保つものなのだ。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
葉末にかかった尺取り虫のようにうろうろした。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
しかしとにかく、一つのコースをならしてしまって、さて次のコースを取るために、彼らは首をもたげてきょろきょろと、まったく、尺取り虫のように、次の鍬をおろすところを探さなければならない。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
おっかなビックリで訪ねて行った尺取り横町のお藤姐御の家には貸家札がななめに貼られて……。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
情けねえ、ヘッ、情けねえや」 わざとらしく眼をこするのは、涙をふくしぐさのつもりで、「十年も二十年も、会わねえってわけじゃなし――いえね、あれからまもなく、駒形高麗屋敷の尺取り横町へ、おたずねしていったんでごぜエやすが、イヤ、おどろきましたね。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
ナア、またお道楽に、あの尺取り虫の踊り子を供に連れてサ、こうして気保養がてら、街道筋に草鞋をはいてでござんすか。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「尺取り虫、虫尺取れ寸とれ足のさきから頭まで尺を取ったら命取れ」 ああして与吉と会ったとき、あくまで知らぬ存ぜぬとしらをきりそうに見えたお藤姐御、あれから、どういう話になったものか、今こうして連れだった与吉とお藤、灯のもれる宿場町を、仲よく、唄と三味と、三味と唄と、流してゆきます。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
住みなれた尺取り横町の長屋に、ベタリと貼られたかしや札。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫