巨鯨
きょげい
名詞
標準
huge whale
文例 · 用例
物の數にも足らぬ海獸なれど、あれを敵國の艦隊に譬ふれば如何にと、電光艇は矢庭に三尖衝角を運轉して、疾風電雷の如く突進すれば、あはれ、海の王なる巨鯨の五頭七頭は微塵となつて、浪を血汐に染めた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
橋はまた巨鯨の白骨のような姿で寂寞として見返す。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
今日は、その三重の帆を海鳥の翼のごとく広げ、しかもそれでも足りないで、両舷の火輪を回して、やや波立っている大洋を、巨鯨のごとく走っているのだった。
— 菊池寛 『船医の立場』 青空文庫
それには、ヨナと鯨の古版画をはじめとして、それらに入れ混じり、勝川|春亭の「品川沖之鯨|高輪より見る之図」や、歌川|国芳の「七浦捕鯨之図」「宮本武蔵巨鯨退治之図」などが挿入されてあった。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
巨鯨のように浮かぶ一艘の潜水艦!
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
だから、どろぼう船を脱れて、巨鯨のお腹に乗っかって、漂流したなぞといったら、きっと、みんなは、吹き出してしまうだろう。
— 寺島柾史 『怪奇人造島』 青空文庫
第二京丸は三百四十|噸、昨年の十月から今年の四月まで捕鯨母船極洋丸と共に南極の洋へ遠征し、キャッチャーボートとして百七十頭の巨鯨をとった手柄の船だ。
— 佐藤垢石 『鯨を釣る』 青空文庫
一頭の巨鯨が船首とイの字形になった角度の波間に突如として、むっちりとした大きな背中を浮せた。
— 佐藤垢石 『鯨を釣る』 青空文庫