御破算
ごはさん
名詞
標準
文例 · 用例
そして、子供をおろしてしまふと同時に、富岡の事は忘れ、一切を御破算して、自分らしい生活に立ち戻りたいと願つた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
が、今回の戰爭では従來の捕虜に関する規則は御破算にして、「国際法に反せざる限り」嚴格に取締ることにした。
— 清澤洌 『暗黒日記』 青空文庫
文楽も揉みに揉んで、ちつとやそつとでは御破算にならぬ程、糶りつめてゐる。
— 折口信夫 『義太夫と三味線』 青空文庫
しかしだめで、もうちゃんと婚礼が済んで見れば、何もかも御破算さ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
そういう人々の印象派や後期印象派のような仕事が段々やっているうちにそれではどうにも行かなくなって御破算になり、正直に自分の見たものを描くより仕方がないというに立到った。
— 高村光太郎 『回想録』 青空文庫
今までの苦心も大スクープの夢も、一切合財これで御破算になってしまうのであろう。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
一月の末のある夜、山川は、母と常子に、とてもだめだから、自首することにするというと、二人は仰天して、そんなことをしたら、纒りかけている慧子の縁談はもちろん、今日まで営々と積みあげてきた山川の社会的信用も、諸宮家との結びつきも、なにもかも御破算になってしまう。
— 久生十蘭 『蝶の絵』 青空文庫
兄博士からの縁談は御破算にして、自分一個と美代子さん、自分が美代子さんをお嫁にいたゞく、改めてそれを考慮していたゞきたいと言ったそうですよ。
— ――ゴロー三船とマゴコロの手記―― 『ジロリの女』 青空文庫