異伝
いでん
名詞
標準
文例 · 用例
しかしもし現代の読者のうちでこれと類似の怪異伝説あるいは地鳴りの現象についてなんらかの資料を教えてくれる人でもあれば望外の幸いである。
— 寺田寅彦 『怪異考』 青空文庫
なぜなら、幽霊船長ヴァン・シュトラーテンの上陸――その怪異伝説が、法水の夢想にピタリと一致したばかりでなく、わけても検事には、それによって、一つ名が指摘されたように考えられたからである。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
『十誦律毘尼序』にこの譚の異伝あり。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
今の欧米人これを聞いたら笑うに極まっているが、実は臭い物身知らずで、彼らの奉ずる『聖書』にも十二世紀まではかかる異伝を載せあった由。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
羅摩これを見て大いに悔い、二子にその国を頒ち、恒河の辺に隠栖修道して死んだというのが一伝で、他に色々と異伝がある。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
原来『ラーマーヤナ』は上に述べた私陀の二子を養育した仙人ヴァルミキの本作といわれ、異伝すこぶる多く、現存するところ三大別本あり。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
ヘブリウの異伝には、アスモデウス身を隠してソロモン王の妃に通ぜしに、王その床辺に灰を撒布し、旦に鶏足ごとき跡を印せるを見て、鬼王の所為を認めたりという。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
其以外に、違つた形で伝へられてゐた信太妻伝説の古い形は、皆一つの異伝に繰り込まれることになる。
— 折口信夫 『信太妻の話』 青空文庫