踏み場
ふみば
名詞
標準
place to stand
文例 · 用例
部屋一ぱいに、れいのかつぎの商売道具らしい石油かんやら、りんご箱やら、一升ビンやら、何だか風呂敷に包んだものやら、鳥かごのようなものやら、紙くずやら、ほとんど足の踏み場も無いくらいに、ぬらついて散らばっている。
— 太宰治 『グッド・バイ』 青空文庫
第一、床の間や置戸棚の上は勿論畳の上まで、書きつぶし、原稿用紙や新聞や雑誌や手紙がまるで紙屑屋の家のように、置きっ放しにしたまま、うず高く積まれているし、蒲団はしきっぱなしだし、足の踏み場もない。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
かれの寝起きしてゐる母屋は汚くて、それこそ足の踏み場も無いほど頽廃してゐて、むしろ此の納屋のはうが、ずつと住みよいくらゐなのである。
— 太宰治 『清貧譚』 青空文庫
楽屋は下座敷の八畳と六畳をぶちぬいて、踊り子全体をともかくもそこへ割り込ませることにしたのであるが、何をいうにも子供が多いのに、又その世話をする女や子供が大勢詰めかけているので、ここは二階以上の混雑で殆ど足の踏み場もないくらいであった。
— 少年少女の死 『半七捕物帳』 青空文庫
たえ子は込合ふ乗客のあひだに、辛うじて足の踏み場を見つけて釣革に掴まつてゐたが、実は時間もさう早くはないので、こゝから四谷まで行くのは大変だと思つた。
— 徳田秋聲 『復讐』 青空文庫
凸凹の危険な道で、――時々断崖の縁を通ったり、――時々足の踏み場処としては、滑りやすい木の根のからんだものだけであったり、――時々尖った大きな岩の上、または間をうねりくねったりして行った。
— ROKURO-KUBI 『ろくろ首』 青空文庫
階下へ降りてまた地下の食堂へ行く間も、矢代は自分の感情を秘めかくす気苦労と一緒に、邪心をなくする道の踏み場を、苦しく石階の一歩ごとに感じ探そうとするのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
」 足の踏み場もなく取り散らかつた、加野の枕もとに行き、ゆき子は加野をのぞき込むやうに云つた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
作例 · 標準
子供部屋は散らかし放題で、おもちゃや本が散乱して足の踏み場もない状態だった。
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年末の倉庫は入荷した段ボール箱で溢れかえり、作業する踏み場を確保するのさえ一苦労だ。
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地震の直後、食器棚から落ちたお皿が粉々に割れてキッチンは踏み場もない惨状だった。
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