山僧
さんそう
名詞
標準
文例 · 用例
叡山の山僧の跋扈は、歴代の朝廷も将軍も手を焼き、国政上の大患だつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
支那にも千疋猴あった例、程伯淳、山に遊んで猴一疋も見えず、山僧より〈晏元献南に来て猴性すこぶる霊し、相車来ればすなわち満山に迎う、騾に鞭ちてここに到れば何ぞかつて見ん、始めて覚る毛虫にもまた世情〉。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
羸駑不與兵戈事 羸駑与からず兵戈の事、心似山僧萬籟空 心は山僧に似て万籟空し。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
十二世紀に入って、比叡山の山僧があばれはじめたとき、それは何かであったと思われます。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫
しかし「遙知郡斎夜 凍雪封松竹 時有山僧来 懸燈独自宿」は宛然たる一幀の南画である。
— 芥川龍之介 『芭蕉雑記』 青空文庫
山に育つて、青春を經佛堂の間で暮した山僧は、女を眺める心は、萎微してゐた。
— 折口信夫 『死者の書 續篇(草稿)』 青空文庫
それを聞くと、拳骨和尚は平伏して、「これはこれは、先生が名に負う近藤勇殿でござったか、鬼神と鳴りひびく近藤先生のお名前、世捨人の山僧までも承り奉る、いかで先生のお相手がつとまるべき、許させ給え」と殊勝な御辞退ぶりです。
— 慢心和尚の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
少年のころ父の物語に聞いたことでありますが、父が近隣町村の人々と大勢打連れて成田山に參けいし護摩の修法を要請したところ山僧達は代る代る出て接待に努めたが、終り頃に出て來た老僧は父の住所氏名に眼を止めて、些か驚いた樣で態度も改まり、やがて別室に招じ入れて大へん懇ろにもてなしてくれたとのことであります。
— 石川三四郎 『浪』 青空文庫