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盗風

とうふう
名詞
1
標準
文例 · 用例
……と急に、どこをどう潜んで来たとも知れない、いやなさびしさが盗風のように葉子を襲った。
有島武郎 或る女 青空文庫
家の中にいても火種の足りない火鉢にしがみついて、しきりに盗風の忍びこむのに震えていなければならぬ清逸にとっては、屋外の寒さもそう気にならなかったが、とにかく冬が紙一重に逼ってきた山間の空気は針を刺すように身にこたえた。
有島武郎 星座 青空文庫
建てつけの悪いガラス窓が風のためにひどい音を立てて、盗風が屋外のように流れこんだ。
有島武郎 星座 青空文庫
三寸二分、金無垢の大日如来というのは、本堂の奥に安置した教祖の木像の胎内仏で、別にお厨子を作って見えるところに安置したのは、少しでも寺内を賑やかにしようという住職の商売気、そこを見込んで怪盗風太郎が、昨夜一と晩のうちに盗み出してしまったのです。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫
「あッ」「いつの間に持って来やがったんだ」 さすが銭形の平次も驚き呆れるばかり、朝から多勢来た参詣の男女のうち、どれが怪盗風太郎なのか、全くもって見当も付きません。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫
「あッ」 驚きに驚きを重ねるばかり、怪盗風太郎一味には若くて美しい女が居るという事を確かめた以外には平次ほどの者も何にも掴んでいません。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫
唯一の頼みは、盗んだのが近頃府内を騒がす怪盗風太郎ならば、三日とたたない内にきっと返してくれるだろうという一事だけ、友白は萎れ返りながらも、それを心頼みに、二日まで空しく待ってみました。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫
してみると、盗んだ品物を返しに来る、あの若くて美しい女というのが、怪盗風太郎本人でなければなりません。
大盗懺悔 銭形平次捕物控 青空文庫