本幹
ほんかん
名詞
標準
文例 · 用例
藩王以下は、永楽に及んで藩に就きたるなれば、姑らく措きて論ぜざるも、太祖の諸子を封じて王となせるも亦多しというべく、而して枝柯甚だ盛んにして本幹却って弱きの勢を致せるに近しというべし。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
本幹|已に倒れて、枝葉|全からず、将門の弟の将頼と藤原玄茂とは其歳相模国で斬られ、興世王は上総へ行つて居たが左中弁将末に殺され、遂高玄明は常陸で殺されてしまひ、弟将武は甲斐の山中で殺された。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
況んや道教の本幹を爲す宇宙觀や神觀は明らかに道家にも神仙家にもない別途のもので、むしろ婆羅門教に類するものであるに於て、道教と黄老・神仙との關係は大讓歩して姻戚關係ありとするも、親族關係ありとするのは當らないことである。
— 幸田露伴 『道教に就いて』 青空文庫
抽象的談論に渉るのを避けて、事實的、客觀的、歴史的に道教の起りを觀ると、道教の最初は何といつても後に正一派と目さるゝ一派が最も古く、そして最も有力であり、本幹を爲し中央を爲してゐるから、其正一派の起りを考へるのが至當である。
— 幸田露伴 『道教に就いて』 青空文庫
二十世紀の前半期は英帝国の崩壊史だろうと私どもも言っておったのですが、今次欧州大戦では、驚異的に復興したドイツのために、その本幹に電撃を与えられ、大英帝国もいよいよ歴史的存在となりつつあります。
— 石原莞爾 『最終戦争論』 青空文庫
だから西洋の台所では朝早く第一番の水を出す時ネジをねじって先ず最初の溜り水を二分間か三分間ドシドシ流してしまって、鉛管の水がすっかり流れ出て本幹の清潔な水が其処へ来た時その水を桶へ受けるようにする。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
この茎はすなわちハスの本幹と枝とであって宛かもキュウリやナスビなどの幹と枝とに同じものです。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
此老僧の孤独な情熱の生涯を思ふと何とはなしに冬枯れに会つた桐の葉が一枚一枚舞ひ落ちると青細い灰色がゝつた幹が真直につつ立つて、枝も僅か二三本幹の先についたなり西風に震へ上つて居るのが眼の前に浮ぶ様だ。
— 死線を越えて 『死線を越えて』 青空文庫