押し隠す
おしかくす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to keep (something) a close secret
文例 · 用例
おぬいさんは机の上の読みさしの本を慌てて押し隠すようなこともせずに、静かにそれを取り上げて部屋の隅に片づけた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
嘉三郎は、涙をそっと押し隠すようにしながら静かに顔を上げた。
— 佐左木俊郎 『栗の花の咲くころ』 青空文庫
が、青木は、なるべくその生気を押し隠すように、涙を――それも嬉し涙であったかも知れぬと雄吉は後で考えた――ぽろぽろと流しながら、「そんなことを!
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
H楼の人達は、彼を見るなりギクッとして互いに狼狽したけれども、もうみどりを押し隠すひまも何もなかった。
— 公娼存廃論者への参考資料としての実例 『ある遊郭での出来事』 青空文庫
」とお君は顔を一寸|赧らめ、羞恥を押し隠すやうにまたニタリと笑つた。
— 加能作次郎 『世の中へ』 青空文庫
不安を押し隠すように上衣をひしと掻き合せた。
— 甲賀三郎 『急行十三時間』 青空文庫
」 頬をぱっと紅らめ、それを押し隠すかのように私の胸へ寄り縋ってきた。
— 豊島与志雄 『孤独者の愛』 青空文庫
それを押し隠すように立ち上って、縁側に出てゆき、硝子戸を開いて、外を眺めた。
— 豊島与志雄 『女心の強ければ』 青空文庫