掲焉
けちえん
形容動詞
標準
文例 · 用例
――次いで、四日と経たないうちに、小川写真館の貸本屋と向合った店頭に、三人の影像が掲焉として、金縁の額になって顕われたのであるから。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
併しながら其金色は金閣寺の金色、能衣裳の金色と同じであつて、金色其ものゝ本性を發揮さす爲めと云はむよりは寧ろ其光によつて周圍の淋びしさを掲焉に反映する爲めに、換言すれば對照の具として用ゐられて居ると云ふ方が適當であると思ふ。
— 原勝郎 『足利時代を論ず』 青空文庫
宇治に近く三条西家の荘園があるので、奈良行きの時にはそこで中休をするの例であり、この時も南都からの迎馬に宇治で乗りかえ、黄昏奈良に着したのであるが、今見てすら少なからず感興をひく春日社頭の燈籠が、すでに掲焉とともっており、社中の花は盛りで、三笠山の月が光を添えた。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
斉信卿答曰、贓物所出来物染、摺成文衣袴等、件日掲焉之故、所令著用歟。
— 喜田貞吉 『放免考』 青空文庫