灰黒
かいこく
名詞
標準
文例 · 用例
私の目にはっきりと残っているものは、ただその灰黒色の髭だけでございます。
— コナン・ドイル 『自転車嬢の危難』 青空文庫
その者は灰黒色の着物を着て、黒い髭を蓄えているように思われたが、チァーリントンの区域内に入って来ると、その者は自転車から降りて、生籬の間隙から忍び込んで、その影は見えなくなってしまった。
— コナン・ドイル 『自転車嬢の危難』 青空文庫
さあれ、また、うちも向へるいと高く暗き崖には、窓もなき牢獄の壁の長き列、はては閉せる灰黒の重き裏門。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
再び跳躍し、潜行し、 飛沫をあげ、 飛沫をあげ、 海浜ちかく泳ぎよるもの、 新に突き落され、噛み落され、抵抗し、諦めず、血みどろに狂い、のたうち、もがき、必死に狙い窺い、匍いあがり、 また噛み合い、飛び越え、 動顛し、 仰臥し、 乗しかかり、 と、 灰黒色の大きな鰭。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
鳥は灰黒色の羽を持っていて、口喙は鈎のように曲がっていた。
— 子不語 『中国怪奇小説集』 青空文庫
谷中の怪庵一 上野の堂坊のいらかが、冬がすみのかなたに、灰黒く煙って、楼閣の丹朱が、黒ずんだ緑の間に、ひっそりと沈んで見える、谷中の林間だ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
壁は民家と同じく堅固な灰黒色の煉瓦で、日本流の土壁は一も見受けない。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
人家の屋並のつらなっているニコルスのあたりに灰黒色の煙がぐいぐいと高く空に噴きあげている。
— ――マニラ籠城日記 『十三夜』 青空文庫