踏抜
ふみぬき
名詞
標準
文例 · 用例
堂は形だけ残っておりますけれども、勿体ないほど大破いたして、密と参っても床なぞずぶずぶと踏抜きますわ。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
一人、わざわざ山越えで浜の方から来たんだって、怪物に負けない禁厭だ、と※の針を顱鉄がわりに、手拭に畳込んで、うしろ顱巻なんぞして、非常な勢だったんですが、猪口の欠の踏抜きで、痛が甚い、お祟だ、と人に負さって帰りました。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
そこで兄は、さきの妻のトシエと、笹の刈株で足に踏抜きをこしらえ、臑をすりむきなどして、ざれついたり、甘い喧嘩をしたり、蕨をつむ競争をしたりしていた。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
どうしたんだって聞きますとね、足の裏から突通るほどの踏抜をしたんだそうで、その前の日の事だっていうんです。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
暮方より同じ漁師仲間の誰彼寄り集いて、端午の祝酒に酔うて唄う者、踊る者、跂る者、根太も踏抜かんばかりなる騒ぎに紛れて、密と汀に抜出でたる若き男女あり。
— 小栗風葉 『片男波』 青空文庫
また、宇和島藩主伊達宗城から、やはり越前慶永への書翰に――この頃、井上佐太夫御預り御秘事の御筒打候節、御覧これ有りし末、御園中の林または竹なぞ茂叢の中を、裏もなき御草履にて、御駈け廻り遊ばし、御踏抜きども遊ばさる可くと、奉行は流汗恐縮ながら、奔走御供申上候――と述べたのがある。
— 佐藤垢石 『『七面鳥』と『忘れ褌』』 青空文庫
まゆみの苦悶は日毎に加わった、踏抜きから黴菌が入ったのだが、その釘をどこで踏んだのか誰にも分らなかった。
— 大倉※子 『鷺娘』 青空文庫
まゆみが踏抜きをしたのは舞台でだそうです。
— 大倉※子 『鷺娘』 青空文庫