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潮先

しおさき
名詞
1
標準
rising of the tide
文例 · 用例
脚元近く迫る潮先も知らぬ顔で、時々頭からかぶる波のしぶきを拭おうともせぬ。
寺田寅彦 青空文庫
実際この浜には乾いた枯蘆しかなく、水は遠浅の内海ですが、しかし沖のかたに潮満ち寄せる日中の白帆の群が介殻を立て並べたように鋭く閃めき、潮先の泡に向って飜り落ちてはまた煽ぎ上る鴎の光って入乱れる影が、ふと眼に入ると、どういうものか私は堪らなくなりました。
岡本かの子 扉の彼方へ 青空文庫
さもない部分の婦人たちにとって、そういう雑誌はむずかしすぎるという目で迎えられ、日本の婦人の社会生活の全局から見れば、その潮先ははやくつよく進み出ているが、重くひろくくらい襞々をたたんだその裾は伝統のなかに引きすえられている実状から、営利の事業として出版をつづけてゆかれなくなった次第であったろう。
宮本百合子 婦人の読書 青空文庫
かように文学として自主的な必然に立っていなかった農民文学のグループが、本来ならばますます描かれるべき農村状態の緊張の高まりと共に忽ち方向を転換して次の年には南洋進出の潮先に乗って海洋文学懇話会というものに変ったのは、まことに滑稽な悲惨事であった。
宮本百合子 昭和の十四年間 青空文庫
この町にそうやって紅い友禅の色が見えはじめたということはとりも直さず、それにつづいてもっと大きな変化がおこって来る潮先の徴候であった。
宮本百合子 朝の風 青空文庫
頼政の面目をあげたのは、経信の系統に薬を強くした絵模様や、絵詞見立ての趣向歌の印象の新鮮な点が、さうした潮先に乗りかけた為である。
万葉集以後の歌風の見わたし 短歌本質成立の時代 青空文庫
つい、向うの境涯の潮先と金吾の方の潮先とが出会うということがねえだなあ。
三好十郎 樹氷 青空文庫
いやで目ざわりで、そら又近づいたときらっていたごたごたした岸はいつかはなれて、潮先が、地球の規律にしたがってさしひきしているその沖に、今や航行中という感じは、どんな模様の旗をかかげたらば語られる歓喜でしょう。
一九四四年(昭和十九年) 獄中への手紙 青空文庫
作例 · 標準
潮先が岬に当たり、複雑な渦が巻いているのが陸からも確認できた。
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「今の潮先はどっちに流れている?」「北東に向かって勢いよく動いているよ」
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潮先を見極めて仕掛けを投げないと、すぐに流されて根掛かりしてしまう。
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