渓山
けいざん
名詞
標準
文例 · 用例
偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃 今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高 我為異物蓬茅下 君已乗※気勢豪 此夕渓山対明月 不成長嘯但成※ 時に、残月、光|冷やかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風は既に暁の近きを告げていた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
しかし長崎の人の記載に、「小原慶山、又渓山に作る、字は霞光、丹波の人、元禄中長崎絵師兼唐絵目利に任官、其子小原勘八、名は克紹、巴山と号す、聖堂書記役なり」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
詩引に「幕府下特恩之命、賜邸於小川街、而邸未竣重修之功、公来居丸山荘、荘園鉅大深邃、渓山之趣為不乏矣、公日行渉為娯」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
註云、客歳春夏之際、吾公嬰疾辞職、而至冬大痊、幕府下特恩之命、賜邸於小川街、而邸未竣重修之功、公来居丸山荘、荘園鉅大深邃、渓山之趣、為不乏矣、公日行渉為娯、故結末及之。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
なんでもA川の上流が、七八里余り渓山の間を流れつづいて、べつだん村落が展けるでもなく、両岸には蒼潤の山が迫り、怪石奇巌|駢び立つて、はげしい曲折の水が流れては急渓、湛へては深潭――といつた具合で、田山先生も曾遊の地らしく、耶馬渓などおよびもつかない、真に天下の絶景であると言つてゐられた。
— 嘉村礒多 『故郷に帰りゆくこころ』 青空文庫
ゆえに、大事に当たりて迷い、病患にかかりて恐れ、老い去り、衰えきたりて、目よくみるべからず、耳よく聴くべからず、舌よく味わうべからざるに至れば、あたかも渓山深き所に、樵径を失したるがごとく、茫然として四顧向かうところを知らず。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
メルボルンよりここに至り、はじめて渓山を見る。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
午後四時後はようやく渓山を出でて、原野に入る。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫