偽悪趣味
ぎあくしゅみ
名詞
標準
propensity to put oneself in as bad a light as possible
文例 · 用例
それにはその時分の文学青年に共通であつた一種の気取り、新しがり、―――偽悪趣味とでも云ふべきものを理解して貰ふ必要があるが、吉井君の戯曲「河内屋与兵衛」などを見ると、さう云ふ気風があの構想の中によく現れてゐる。
— 谷崎潤一郎 『青春物語』 青空文庫
裕佐がこの版画家に対して何よりもいやに思い、それがために友に飢えていながらもそうしげしげと訪ねて深くつき合う気にどうもなれなかったのは、実にこの男のひがみから来る一種の偽悪趣味であった。
— ――一名南蛮鋳物師の死―― 『青銅の基督』 青空文庫
裕佐が此版画家に対して何よりも嫌に思ひ、それがために友に飢ゑてゐ乍らもさう繁々と訪ねて深くつき合ふ気にどうもなれなかつたのは実に此男の下等な偽悪趣味であつた。
— ――一名南蛮鋳物師の死 『青銅の基督』 青空文庫
今デモ本心ハ善良ナノデアロウガ、イツノマニカ偽悪趣味ヲ覚エ、ソレヲ自慢ニスルヨウニナッタ。
— 谷崎潤一郎 『瘋癲老人日記』 青空文庫
予ハ颯子ト同様ニ偽悪趣味ガアリ、男ノ癖ニ泣クナンテ見ットモナイト思ッテイルノダガ、ソノ実案外涙脆クッテ、屁デモナイコトニ訳モナク涙ガ出ル。
— 谷崎潤一郎 『瘋癲老人日記』 青空文庫