干魃
かんばつ
名詞
標準
文例 · 用例
丁度この夏は干魃で烈日雲を照し、島原では深江村を始め時ならぬ桜が開いたりしたから、人民は容易にこれらの流言を信ずるに至った。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
近郷近在は無論|干魃だという噂である。
— 永井荷風 『夏すがた』 青空文庫
こんなに繁殖すると、人口過剰で国運疲弊するが、洪水だのカンバツだのと天災が多くて、おかげで年々五十万もの百姓どもが死んでくれるので、ちょうどバランスがとれている。
— 坂口安吾 『我が人生観』 青空文庫
もっとも、洪水がなければカンバツという天災があって、照るにつけ、降るにつけ、黄土地帯の農民は楽ではない。
— 坂口安吾 『我が人生観』 青空文庫
終戦後におきましてそういう勢力の盤踞する中心地点を破壊しろ、これは敗戦国の悲しさでありますが、外国からそういう指図のようなものが出まして、そしてかつて威力をふるつた中心点がきれいに破壊せられて、これを向うようの言葉で言えば「カンバツ」を廃止したのであります。
— 金森徳次郎 『涙をもつて正義をささえる』 青空文庫
「カンバツ」とは山の木を切る間伐ではなく官僚閥ということでございまするが、この廃止は相当に大きな影響をもつていると思います。
— 金森徳次郎 『涙をもつて正義をささえる』 青空文庫
つぶさな情況を私たちは聞かされていないが、去年の中共大陸のカンバツや水害が並々ならぬ範囲と深刻な惨害にあるとだけはチラチラ報道されている。
— 吉川英治 『随筆 私本太平記』 青空文庫
ことに湖水の流れるところでありますから、旱魃ということを感じたことはございません。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫