杞人
杞人
名詞
標準
文例 · 用例
それかといって神経衰弱にかかった杞人でない限り、いつ来るかもわからない「審判の日」を気にしてその時の予算までを今日の計画の中に組み込むわけにも行かない。
— 寺田寅彦 『ロプ・ノールその他』 青空文庫
愚かなるわれら杞人の後裔から見れば、ひそかに垣根の外に忍び寄る虎や獅子の大群を忘れて油虫やねずみを追い駆け回し、はたきやすりこ木を振り回して空騒ぎをやっているような気がするかもしれない。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
これが杞人の憂いである。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
杞人の憂いとはちょうどこういう取り越し苦労をさしていうものであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
もしこれ杞人の憂ひにあらずとなさんか、掃墓の興は今の世に取残されしわれらのわづかにこれを知るのみに止りて、われらが子孫の世に及びては、これを知らんとするもまた知るべからざるものとはなりぬべし。
— 永井荷風 『礫川記』 青空文庫
大空が落ちて来ると思って怖がっちゃいけないよ、卓ちゃん」「杞人の憂ですか?
— 佐々木邦 『村の成功者』 青空文庫