駛走
しそう
名詞
標準
文例 · 用例
俳優が舞台上で演じる駛走(舞台上の駆け足)のように、その脚は動くが終始一処に在る状態の凝る気で事に従っている人の状況と酷似している。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
帆だ、帆だ、帆だ、 運搬、駛走、海洋、巻雲。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
それを、その橋をあの江戸名所図会にある橋と比べ、また明治の初年食物店や興行物でその袂が埋められた頃の橋と比べ、更に今の電車や自動車の駛走している橋と比べ、更に遠く家康が入国してここを埋め立ててはじめて架橋した時のさまに比べて考えて見る。
— 田山花袋 『日本橋附近』 青空文庫
恐ろしい程線路の上を急速度で駛走するカアは初めての経験である。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
彼は駛走する汽車の轟きが、あらゆる他の音を消してしまふ事に氣が付いた。
— スティーヴンスン 『若い僧侶の話』 青空文庫
) 駛走する自動車の中で、竜太郎はいっしんに叫びつづけていた。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
其下は青藍色の迅流が対岸に斜に横たわる大岩床の表面とすれすれに駛走している。
— 木暮理太郎 『黒部川を遡る』 青空文庫
そして岩が大峡谷の構成に最も適した花崗岩であり、絶壁の高さが増し長さが加わり、崖上に樹林を纏い、藍※の水が一道の迅流となって、百仭の谷底を駛走するに至って、始めて壮絶凄絶の極に達する。
— 木暮理太郎 『渓三題』 青空文庫