吸盤
きゅうばん
名詞頻度ランク #44602 · 青空 54 例
標準
suction cup
文例 · 用例
しかしながら單純でなく、海底の藻草のやうに、章魚の吸盤のある足のやうに、意地惡くからみながら、内臟で呼吸して居るのである。
— 萩原朔太郎 『本質的な文學者』 青空文庫
冬は繊細|執拗に編み交り、捲いては縒れ戻る枝や蔓枝だけが残り、原始時代の大|匍足類の神経か骨が渇化して跡をとゞめてゐるやうで、節々に吸盤らしい刺立ちもあり、私の皮膚を寒気立たした。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
翁様――処ででしゅ、この吸盤用意の水掻で、お尻を密と撫でようものと……」「ああ、約束は免れぬ。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
棘と、弾力ある吸盤とに、大分素手を傷められた。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
恰度、夏の入日があかあかと反射する時、私達の手から殘酷に投げ棄てられた黒猫が、黒猫の眼が、ぬるぬると滑り込みながら、もがけばもがくほど粘々しい瀉の吸盤に吸ひ込まれて、苦しまぎれに斷末魔、爪を掻きちらした一種異樣の恐ろしい粘彩畫の上を、女はまた輕るく走りながらその板を滑らせては光澤つやと平準してゆく。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
「蛸なら吸盤があるから、ここまで登って来るかもしれないね」 とわたしは冗談らしく言った。
— 大阪圭吉 『灯台鬼』 青空文庫
しかも、それぞれの人種は死に接した孤独に浸りながら、余りある土貨を吸い合う本国の吸盤となって生活しなければならぬのである。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
すると、塊った観客の一群の顔の上に、べったり吸いついた吸盤のような動物を、彼は見た。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
作例 · 標準
このシャワーフック、吸盤でしっかり壁にくっつくから便利だね。
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カボチャの収穫で、重いカボチャを持ち上げるのに吸盤式のハンドグリップを使ったんだ。
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窓ガラスの清掃のために、吸盤で固定するワイパーを買ったよ。
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タコが吸盤を器用に使って岩に張り付いている様子はすごい。
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ウィキペディア
吸盤(きゅうばん)とは、ゴムや合成樹脂などの可撓性を利用して平滑面に吸着して内部を真空に近い状態にし気圧や水圧などの圧力の差を利用して物に吸着する器具、部品。吸着盤ともいう。接着剤などと異なり一時的な接着を目的とすることが多い。また、吸着するための動物の器官。
出典: 吸盤 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0