抜出
ぬけで
名詞
標準
文例 · 用例
教師も生徒も、抜出して見れば是といつて悪くなつたわけではなかつたが……可なり目に立つのは小使共のずぼらであつた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
僕は彼の詩を茲に抜出して来てお目にかけたい。
— 中原中也 『詩集 浚渫船』 青空文庫
然し僕はどれを出すかに迷ふし、一つの詩の一部を抜出すといふやり方は高森の詩には適当でないし、結局沢山出さなければならないやうに思はれるから茲には割愛しなければならぬが、どうぞ此の落付いた稀特な詩集が、一冊でも沢山に売れるやう希望するものである。
— 中原中也 『詩集 浚渫船』 青空文庫
撫肩の衣紋つき、少し高目なお太鼓の帯の後姿が、あたかも姿見に映ったれば、水のように透通る細長い月の中から抜出したようで気高いくらい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
露にその長襦袢に水紅色の紐をぐるぐると巻いた形で、牡丹の花から抜出たように縁の姿見の前に立って、(市川菅女。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
姿見から影を抜出したような風情で、引返して、車内へ入って来たろうではないか。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
さあ、こうなると、多勢の中から抜出したので、常よりは気が置けない。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
」「己は、魚の腸から抜出した怨霊ではねえかと思う。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫