雑無
ざつむ
名詞
標準
文例 · 用例
その複雑無限な描写の技能――其が七十を越えた老齢になつても尚、技巧縦横の境地から脱却させない。
— 折口信夫 『市村羽左衛門論』 青空文庫
その時は彼等をばかにしきって、乱雑無法なる使い方をして荒れました。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
要するに日本の大臣や代議士は平素に於て言葉の味を解する生活と無縁な、粗雑無頼な生活を送っているから、埒もないことで国会が荒れるようなことになってしまう。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
もっとも、個々の現象は複雑無限であって、その機巧は到底わからないが、そういう現象が非常にたくさん重り合って、全体として一つの現象を示すことがある。
— ――茶道精進の或る友人に―― 『茶碗の曲線』 青空文庫
物理学は複雑無限な自然現象の中から、最も純粋な理法を抽出する学問であるが、農業物理学は、その理法の知識をもって、複雑な自然現象そのものを直接対象とすべき学問であると、自分では考えている。
— 中谷宇吉郎 『農業物理学夜話』 青空文庫
而してあらゆる事實は其構素として從屬關係を取り、各※の事實は又從屬關係或は同位關係により連絡制約せられた複雜無限の連鎖に發展する。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫
日本人の亂雜無禮な宴會のさまが堪へられぬ程不愉快に目に浮ぶ。
— 永井荷風 『新歸朝者日記』 青空文庫