髪容
かみすがた
名詞
標準
文例 · 用例
白糸 (じろりと、その髪容を視む)村越さんのお住居はこちらで?
— ――其一幕―― 『錦染滝白糸』 青空文庫
「はい、父が病気で臥せって居りますので……」 髪容もつくろわず、身なりも木綿物ずくめで、こういう繁華の場所へ出て来るのであるから、裕福の家の娘でないことは判り切っていたが、それが町人や職人の子でないこともすぐに覚られた。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
艶麗にあらわれた、大どよみの掛声に路之助|扮した処の京の芸妓が、襟裏のあかいがやや露呈なばかり、髪容着つけ万端。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
半月ばかり、身にいたはりがあつて、勤を引いて引籠つて居たのが、此の日|修法ほどき、満願の御二方の心祝の座に列するため、久しぶりで髪容を整へたのである。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
身綺麗にはしていても髪容に搆わない。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
女であっても、其得意とする衣裳や髪容の細かい注意以外に或は男子の心理状態の解剖を為し得べき能力あるは、猶お男子にして婦人の心理解剖を為すに等しいものであろう。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
女が小説をかくからと云って、その観察は何れも衣裳や髪容の描写にとどまらず題材としては男と同じものを扱ってよいと云うことにつづいて、すぐ男子の心理状態の解剖をいうところへ飛躍して云われているところも、男女の対立の範囲で婦人の問題が観られていた当時らしい考えかただと思える。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
それから髪容が好い。
— ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 『鰐』 青空文庫