岡目
おかめ
名詞
標準
文例 · 用例
その証拠には西洋第一流の大家の最も優れた論文に対してさえも、第三流以下の学者の岡目から何かしら尤もらしい望蜀的の不満を持ち出してそれを抗議の種にすることは比較的容易なことである。
— 寺田寅彦 『学位について』 青空文庫
4「これでようござんすか」 時を移さず姿をやつして、鳥追い笠に、あだめかしい緋色の裳裾をちらちらさせつつ、三味線片手にお由がやって参りましたので、名人は待ちうけながら、ただちに忍ガ岡目ざしました。
— 明月一夜騒動 『右門捕物帖』 青空文庫
外国人が岡目八目で、やっぱり冬寒くなる前が一番|好いと云っているね」「そうですかねえ。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
そんならなぜそれをあたしの場合に使って下さらなかったの」「使わないんじゃない、使えないのよ」「だって岡目八目って云うじゃありませんか。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
傍にいるあなたには、あたしより余計公平に分るはずだわ」「じゃ継子さんは岡目八目で生涯の運命をきめてしまう気なの」「そうじゃないけれども、参考にゃなるでしょう。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
岡目八目でお嫁に行かなかったからよ。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
傍観者と云うものは岡目八目とも云い、当局者は迷うと云う諺さえあるくらいだから、冷静に構える便宜があって観察する事物がよく分る地位には違ありませんが、その分り方は要するに自分の事が自分に分るのとは大いに趣を異にしている。
— ――明治四十四年八月堺において述―― 『中味と形式』 青空文庫
岡目八目で言いたいままの放語と思えど、久しく本邦に在留せし英人が、木戸、後藤諸氏草創の難に思い比べて、禁ぜんとして禁じ得ざる激語と見えたり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫