心やり
こころやり
名詞
標準
thoughtfulness
文例 · 用例
「隣近所にお化粧のアラを拾うやつもなくてさばさばしたろう」 これが唯一の、娘も共に零落させた父の詫びの表明でもあり、心やりの言葉でもあった。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
大作家の素質に絶望した青年が、つまらぬ一新進作家の名をかたって、せめても心やりにしているということは、実にみじめで、悲惨なことではないか、と思えば、私はいても立っても居られぬ気持であった。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
が、ひょっとすると、この老紳士は自分の気持を他人の上に移して、心やりにする旧官僚風の人物にままある気質の人で、内心では案外、寸刻の間も、自分の息子の上にいたわりの眼を離さないのかも知れない。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
さてこそ彼女は身ぶり手まねでその魚が東海の浪の上を飛ぶであろう形まで真似てひとつには彼女の心やりとし、人に訴えてかなわぬ願いの鬱憤を晴すのだった。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
附記 安別の小学の生徒たちのために、私は一つの童謡を茲に贈り物とすることをせめてもの私の心やりとする。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
初よりの事のもとすゑを打開けんも我が心やりなれば、煩はしけれど聞き給へとて、われは昔語をぞ始めける。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
退っ引きならぬ彼女との別離は来りぬ、事件の進行して罪否いずれにか決する時の近づきしをば、切めてもの心やりにして。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
手古奈が眞、人々の心やり、總じて嬉しく悦ばしく、行末永き手古奈が幸福を祈らむ。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
作例 · 標準
誕生日プレゼントに添えられたメッセージは、温かい心やりだった。
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遠く離れた家族からの手紙は、彼にとって何よりの心やりとなった。
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日頃の感謝の気持ちを込めて、彼女は同僚に小さな心やりを贈った。
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