幻辞.com

鉄蹄

てってい
名詞
1
標準
文例 · 用例
鉄蹄の真赤になったのが鉄砧の上に置かれ、火花が夕闇を破って往来の中ほどまで飛んだ。
国木田独歩 武蔵野 青空文庫
此時見附の方から二頭曳の馬車、鉄蹄の響も勇ましく駈けて来ましたが、ねり歩いて居た仲間は道をよけると同時に万歳!
國木田獨歩 夜の赤坂 青空文庫
茲に於てか、征馬鉄蹄に世界を蹂躪し、大名長く青史を照せる一世の雄傑アレキサンドルも、遂に一語の発すべきなく、静かに跼いて彼の垢づける手を把り、慇懃に其無礼を謝したりと云ふ。
石川啄木 閑天地 青空文庫
人通りの無い、灼熱した街道に、鉄蹄をかつかつ反響させて、小走りに馬が、近づいて来た。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
そして、草鞋の紐を通している時、二三人の馬上の人々が、二人の眼を掠めて、鉄蹄の響きを残して、山の上へ影の如く過ぎ去った。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
と同時に、鉄蹄の響き、人の足音がして――その瞬間、広岡は、往来へ閃き出ていた。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
聞えるものは終日、油のきれた輜重車の軋みと、ひき馬の鉄蹄と、鞭と、兵卒の怒号と、苦力の怒罵とであった。
里村欣三 シベリヤに近く 青空文庫
土煙を蹴あげる鉄蹄ばかりが、白く斜な陽に光った。
里村欣三 シベリヤに近く 青空文庫